トップページ > ツーリングに行く前にバイクの整備をしよう > バイクのタイヤのメンテナンス
バイクのタイヤは消耗パーツなので使い続けると溝が減ってスリップサインが出たり経年劣化でひびが入って寿命を迎えます。
バイクに安全に乗る為には日々の点検が求められます。タイヤのメンテナンスの作業内容としては、溝の残りの深さの点検、ひび割れの点検、異物が刺さっていないかの点検、空気圧の点検の4点です。
もし、溝の残りの深さがなくなっていたら新品のタイヤへ交換をおすすめします。
バイクのタイヤのメンテナンスをする時に覚えておきたい基礎知識を紹介します。
目次
バイクのタイヤは、アクセルを開けた時にバイクを安全に走らせたり、ブレーキを掛けた時に停止させたりする為に必要なパーツです。
タイヤの性能は、グリップ力といって路面とタイヤとの間の摩擦力が大きいか小さいかによって、燃費の良いタイヤ、加速やブレーキングが良いタイヤなどがあり、主に街乗り用、ツーリング用、スポーツ用に分けられます。
また、タイヤの種類は大きく分けると、バイアスタイヤとラジアルタイヤの2種類があります。タイヤには、路面と接触する表面のトレッド部分のゴムの内側には補強用のベルト(合成繊維やスチールなど)が巻いてあり、ベルトの内側にはカーカスと呼ばれるタイヤの骨格となる繊維(ナイロン、ポリエステル、スチールなど)が巻いてあります。
この、カーカスの巻き方の違いでバイアスタイヤかラジアルタイヤかを区別しています。
バイアスタイヤは中心線に対してカーカスの角度が30~40°で交互に巻きつけてあり乗り心地が良い、ラジアルタイヤは放射線状に巻きつけてあり強度が維持でき、操縦性、安定性に優れることが特徴です。
昔のバイクにはバイアスタイヤが広く採用されていましたが、最近ではラジアルタイヤが主流となっています。
以下で、ラジアルタイヤを例にしてタイヤカタログやタイヤのサイドウォール(タイヤの側面)に記載されている数字を説明します。
例えば、160/60R17という英数字が記載されている場合は、
という意味になります。
このように、バイク用のタイヤは様々なサイズが用意されているので、どのサイズのタイヤでも自分のバイクに装着できるとは限りません。バイクメーカーが指定している銘柄のタイヤや、それぞれのライダーのバイクライフの使用目的に相応しいタイヤを履くように心がけてください。
タイヤの交換時期は、タイヤのトレッド部分の溝の残りの状態とタイヤの表面のひび割れの状態を確認して、基本的には溝がなくなる前に交換すること、又は溝が十分に残っていてもタイヤにひびが発生している場合は交換した方がいいと思います。
また、製造年があまりにも古いタイヤ(製造されてから10年以上経過したタイヤ)は表面のゴムが経年劣化して硬くなっていますので、古いタイヤも交換した方がいいでしょう。
タイヤメーカーはいろいろありますが、ブリヂストンやダンロップというメーカーのタイヤに交換すれば問題ありません。
タイヤを新品に交換した直後の注意事項としては、無茶な運転はしないことです。新品のタイヤはピカピカと光沢があって綺麗ですよね。
しかし、タイヤの見た目は綺麗でも走行中はとても危険なんです。なぜなら、新品のタイヤのゴムの表面にはワックスが塗られていて、交換直後は大変滑りやすい状態になっているからです。
ですので、ワックスがはがれ落ちる(タイヤの光沢がなくなる)までは、ならし運転をしておとなしく走ってください。
バイクに安全に乗るには定期的にタイヤのメンテナンスをしてください。
タイヤのメンテナンス時の主な作業内容は、溝の残りの深さ、ひび割れの状態、異物が刺さっていないか、空気圧は適性値かの確認です。
なお、中古のバイクを購入した方は、タイヤの製造年を確認して、いつ頃作られたタイヤなのか把握してください。タイヤの製造年が古いとゴムが硬化して性能が落ちている恐れがあるので安全の為に場合によっては新品への交換をおすすめします。
タイヤの溝の残りは、トレッド部(タイヤと地面が接触する部分)のスリップサインを見て判断します。スリップサインとは、タイヤの現在の摩耗状態を表す目安となるものです。
もし、タイヤの溝がスリップサインに達していたら新品のタイヤへ早めの交換をおすすめします。雨の日は、路面とタイヤの摩擦力が低下している為に、タイヤの溝があまりにも減っている場合では、タイヤの排水が不十分になり大変滑りやすくなります。特にマンホールの上では溝が十分残っているタイヤでもグリップ力は落ちて滑りやすいので気を付けてください。
タイヤの溝の減り方は、バイクの乗り方、タイヤのグレードによって大きく変わってきます。
街中をゆっくり走るよりも急加速や急減速などのようなタイヤに大きい負荷が掛かる乗り方をした方が早く溝が減りますし、スポーツ用のタイヤ(ハイグリップタイヤ)はすぐに溝がなくなります。交換の目安とする走行距離としては、ハイグリップタイヤでは5000km、街乗り用タイヤでは1万~2万kmくらいです。
タイヤのひび割れは、保管方法によってタイヤの寿命が変わってきます。
太陽の光が直接当たるところに保管しておくとタイヤにひび割れが起きやすくなるので、バイクを保管するときはバイクシートをかけた方がいいです。
また、長期間交換していないタイヤも経年劣化でひび割れを起こしていることが多いです。
タイヤのトレッド部(路面と接するところ)やショルダー部(肩の部分)にひび割れが発生している場合は、早めの交換をおすすめします。
なお、タイヤの側面はワコーズのスーパータイヤコートを吹きかけておけばある程度はひび割れを防止できます。タイヤのゴムを保護するのではなくつやを出したいだけなら他の商品の方がいいです。
タイヤに金属片や釘などが刺さっていないか確認してください。
タイヤに釘などの異物が刺さっていてパンクしていたら、ホームセンターやバイク用品店に売っているパンク修理キットを使えばすぐに直ります。
但し、チューブタイヤとチューブレスタイヤでは作業の仕方が異なりますので、自分のバイクのタイヤはどちらなのか調べてから行ってください。
※基本的にチューブタイヤのパンクは、バイクショップで修理することをおすすめします。
なお、タイヤのパンクの修理は、トレッド部(路面と接触するところ)のパンクは直せますが、サイドウォール部(タイヤの側面)のパンクは直せませんので、パンクの状態によっては新品のタイヤに交換することになります。
バイクのタイヤはタイヤの空気圧が適性値の状態で本来の性能が発揮できるように設計されています。空気圧が大きく減っていると走行性能はマイナスに働くので早めに適性値まで補充するようにしてください。
一般的には製造年が古いタイヤは表面のゴムが硬化して硬くなっていますが、タイヤの表面を見ても硬化しているのか判断のしようがありません。
では、どのように硬化の判断をするのかというと、タイヤの製造年を調べることで解決できます。タイヤの製造年は上の写真のようにタイヤのサイドウォール部(側面)を見れば確かめることができ、タイヤの側面には4桁の数字が記載されていると思います。
例えば、3207という数字が書かれていたら、この数字の意味は、32がその年の何週目で、07が製造された年を表しています。2615という数字が書かれているとしたら、26がその年の何週目で、15が製造された年を表しています。
ですので、3207というタイヤは2007年の32週目、2615というタイヤは2015年の26週目に製造されたという意味になります。製造されてから10年以上経過したタイヤは表面のゴムが硬化しているので早めに交換しましょう。