バイクに安全に乗る為のブレーキオイルの役割、交換時期、交換方法、確認方法の基礎知識

ブレーキオイルの交換方法を身に着けて

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バイクのブレーキオイルをメンテナンスする時の基礎知識

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バイクのブレーキは、走行しているバイクを減速させたり停止させたりする時に使うものです。

ほとんどのバイクの前輪のブレーキはディスクブレーキが採用されているので、定期的にブレーキオイル(ブレーキフルード)の交換が必要になります。

ブレーキオイルの交換方法は、古いブレーキオイルを抜き取って新しいブレーキオイルに交換するという作業です。

ブレーキオイルの交換はバイクショップに依頼することが普通ですが、コツをつかめば自分で交換することも簡単にできます。

バイクのブレーキオイルの交換作業で覚えておきたい基礎知識を紹介します。

目次

ブレーキオイルの役割

ブレーキオイル

ブレーキオイル(ブレーキフルード)は、バイクが走行している時にバイクのスピードを減速させて安全に停止させるために必要となるオイル(液体)です。

油圧ブレーキでは、マスターシリンダーとブレーキキャリパーとをブレーキホースでつながれていて、その経路をブレーキオイルで満たした状態にして使います。

ブレーキレバーを握ったりブレーキペダルを踏んでブレーキを掛けると、マスターシリンダーで発生した油圧がブレーキホースを経てブレーキキャリパーへ伝わりブレーキが掛かる仕組みです。

もし、ブレーキの経路にブレーキオイルが規定量入ってなかったら、ブレーキキャリパーへ油圧を伝えることができずブレーキが効かなくなるので取り扱いに気をつけてください。

また、走行中にブレーキを多用して止まろうとすると、ブレーキローターとブレーキディスクからの摩擦熱によってブレーキオイルの温度が上昇していきます。そして、ブレーキオイルの温度がブレーキオイルの沸点(沸騰する温度)を超えるとオイルが泡だらけになってしまいブレーキの効きが悪くなり、最悪の場合では全くブレーキが効かなくなる恐れがあるので多用するのは控えましょう。

このように、バイクを止めるためにはブレーキオイルは欠かすことができない重要なものですので、ブレーキオイルが減っていないか汚れていないかのメンテナンスはこまめに行いましょう。

ブレーキオイルの交換時期

ブレーキオイルは、バイクを止める為の重要なオイルなので車検ごとに交換することをおすすめします。車検を受ける義務がないバイクは、2~3年に1回の頻度で交換した方がいいです。

また、ブレーキオイルには種類があるので目的に応じて使い分けましょう。
※メーカーが指定しているブレーキオイルの種類は、それぞれのバイクの取り扱い説明書で確認してください。

ブレーキオイルの取り扱いの注意事項

ブレーキオイルは時間が経過すると湿気を吸収して沸点が下がり経年劣化していきます。古いブレーキオイルを長期間使い続けていると、ブレーキ性能が落ちブレーキの効き具合が突然悪くなる恐れがあるので早めの交換をおすすめします。

したがって、長期間ずっと同じブレーキオイルを使い続けることはできないので、定期的に新しいブレーキオイルと交換する必要がありますし、また、定期的にブレーキオイルが規定量入っているか、減っていないかも確認してください。

ブレーキオイルの種類

ブレーキオイルには、DOT3、DOT4、DOT5といった規格の種類があります。

それぞれのブレーキオイルは何が違うのかというと、下記のように沸点(液体が沸騰し始める温度)が違います。

  • DOT3:ドライ沸点205℃、ウエット沸点140℃以上
  • DOT4:ドライ沸点230℃、ウエット沸点155℃以上
  • DOT5:ドライ沸点260℃、ウエット沸点180℃以上

ドライ沸点とは、ブレーキオイルが湿気を含んでいない状態のこと。ウエット沸点とは、ブレーキオイルが湿気を含んだ状態のこと。

バイクで一般的に使われているブレーキオイルといえば昔はDOT3でしたが現在はDOT4が主流になっています。

また、スポーツ走行をするという方はDOT4よりも沸点が高いDOT5を使うとペーパーロック減少が起こりにくくなるのでおすすめです。

但し、規格が違うブレーキオイルどうしを混ぜて使ったらいけないので、DOT4が入っているバイクはブレーキオイルを抜き取ってDOT5に入れ換えて使いましょう。

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ブレーキオイルの交換方法

ブレーキオイルを交換するには少しコツがいりますが難しくはありません。基本的には、新しいブレーキオイルをリザーバータンクに入れた後に古いオイルをブレーキキャリパー側から排出させるだけです。

交換時に注意することは、新しいオイルにエア(気泡)が含まれるとブレーキが効かなくなるのでエアが無いことを確認してから作業を終わらせることです。

下記にブレーキオイルの交換時に使うものと交換方法の手順を紹介しますので作業時の参考にしてください。

交換時に使う工具・ケミカル・パーツ

  • プラスドライバー
  • スパナ
  • ゴムホースとブレーキオイルを受け取る容器
  • ブレーキクリーナー
  • ブレーキオイル

交換手順

  1. リザーバータンクの蓋を開ける。
  2. リザーバータンク内のブレーキオイルを抜き取る。
  3. 新しいブレーキオイルをリザーバータンクに入れる。
  4. ブレーキキャリパーに取りついているブリーダーバルブのゴムキャップを外し、ブリーダーバルブにゴムホースと古いオイルを受け取る為のペットボトルなどの容器をセットする。
    ※バイク用品店にはブレーキオイル交換用のキットが売られているので使うと簡単に作業できます。
  5. ブリーダーバルブをレンチを使って左回り(アナログ時計の指針が回転する方向と反対方向)へ回して緩める。
  6. ブレーキレバーを握ったままにして古いブレーキオイルをブリーダーバルブから排出させる。
    ※ブリーダーバルブから古いブレーキオイルを排出させるとリザーバータンク内の新しいブレーキオイルは減っていくので、ブレーキオイルを切らさないように注ぎ足しながら行うこと。
  7. ブリーダーバルブから新しいブレーキオイルが出てくるようになったらバルブを右回りに回して閉める。
    ※ブレーキオイルに気泡が混じっている時は無くなるまで排出すること。
  8. リザーバータンクの蓋を閉めて作業は完了です。最後にブレーキレバーを握ってブレーキが掛かるか確認してください。
    ※ブレーキオイルが付着した箇所は塗装がはがれる恐れがあるのでウエスなどでしっかり拭き取ってください。

※ブレーキオイルの処分方法は、お住まいの地域の役場に確認してください。

ブレーキオイルが減っている場合の対処方法

リザーバータンクでブレーキオイルの量を確認した時に、規定量よりも減っていることに気が付いたらブレーキオイルを補充してください。

但し、ブレーキパッドが減ってくるとブレーキオイルの確認窓の油面の位置も下がってきます。その場合は、ブレーキパッドを新品に交換するとブレーキオイルの確認窓の油面は元の位置に戻るので問題ありません。

問題があるのは、ブレーキパッドが減っていないのにブレーキオイルの量が減っている時です。その場合は、ブレーキシステムにオイル漏れなどの問題があると思いますので、バイクショップでメンテナンスを依頼してください。そのまま乗り続けるとブレーキが効かなくなります。

ブレーキオイルの量はどの箇所で確認するの?

原付の前輪のブレーキオイルのリザーバータンク

原付でも普通のバイクでも前輪がディスクブレーキの場合では、前輪のブレーキオイルが入った入れ物(リザーバータンク)の位置はハンドルの右側の方(写真の位置)にあります。後輪がディスクブレーキの場合は、後輪付近にもリザーバータンクがあるので確認してください。

リザーバータンクの確認窓からブレーキオイルが規定量入っているのか定期的に確認してください。
※リザーバータンクが白色のプラスチックの場合はそのまま見れば確認できます。

もし、ブレーキオイルが減りすぎていたら蓋を開けて補充するようにしてください。

ブレーキオイルは時間と共に劣化するので車検ごとに交換すること。車検を受ける必要がないバイクでは安全の為に数年に1回交換することを忘れないようにしましょう。

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バイクのブレーキオイルは2~3年ごとの交換が望ましいです。
※2年経過しても使えないことはありませんが、ブレーキオイルが水分を含んでブレーキ性能が落ちているので安全のために交換してください。

この商品は価格は安いですがホンダ純正品なので安心して使うことができます。ホンダのバイクにはもちろん使うことはできますし、ホンダ以外のバイクに使っても問題ありません。ブレーキオイルの製造メーカーにこだわりがないのなら、この商品はコストパフォーマンスに優れているのでお勧めです。

バイク1台のブレーキオイルの交換は500mlあれば足ります。

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ブレーキオイルを交換する時は、ブリーダーバルブに取り付けるゴムホースとボトルが必要になります。昔ではブレーキオイルの交換といえば2人で作業を行うのが普通でしたが、この商品にはホースに逆止弁が付いているので1人でも作業を行うことができます。

ブレーキオイルは2~3年ごとに交換するのが常識ですので、ショップに依頼せずに自分で交換したい方におすすめの商品です。ブレーキオイルの経路のエア抜きはしっかり行いましょう。

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